電気自動車(EV)市場の伸びが期待される中、「地面」に投資することで採算が取れる可能性が出てきた。自動車メーカーは電気自動車(EV)とその動力源となるリチウムイオンバッテリーの増産を急いでいるが、リチウム生産というボトルネックに直面している。リチウムは地球の表層部である地殻に十分な量があるが、価格競争力のある車を生産できるほど低コストで採掘できる量はわずかだ。ほとんどのリチウムはアンデス山脈高地の塩湖の水か、オーストラリアで採掘されることの多いスポジュメンという鉱石から産出される。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生する前の数年間は、中国がEVへの補助金を縮小し、その他の国でも支援策は断片的なものにとどまっていたため、投資は細っていた。だが、これまでになく多くの自動車メーカーや政府、消費者がEV技術を現金で支援するようになると、リチウム需要は供給を上回り、価格の高騰が起こった。