コストコ「値上げ」の原因は
インフレとドル高のダブルパンチだ
実は、業務スーパーとコストコの最大の違いは商品の調達先です。業務スーパーの食品の多くが中国から開発輸入している一方で、コストコはアメリカの商品ラインナップを日本に持ってきているものが多いのです。
経済通の読者の方はよくご存じのとおり、今、アメリカでは年率8.6%という大幅なインフレが起きています。日本の2.4%のインフレなど比較にならないほど物の価格が上がっています。
そしてコストコはそれを日本に輸入してくるのですが、これも皆さんご存じのとおり一年前に115円前後だった為替レートが、直近で137円と2割近いドル高が起きています。
最近海外旅行に行った方から、「リベンジ消費するつもりが、あまりに物価が高くて何も買えなかった」という話を聞きますが、これは物価とドル高の掛け合わせ効果です。
8.6%のインフレと約2割のドル高が掛け合わさると、日本人から見ればアメリカの物価は3割高になってしまいます。
コストコの人気商品も、それと同じです。特にアメリカ産や同じく物価高騰に悩むEUの先進国の製品の場合、ふと気が付くとずいぶんな値幅で値上げされていることに気づくのです。ただコストコでは、値上げ後の現在でも同じ商品を普通のスーパーマーケットなどで買うよりも半額近くで買えるということから、やはりまだ大幅に安いという状況は続いているわけです。