安倍晋三元首相の銃撃事件を発端として、宗教と「政治・カネ」への関心が大きく高まっている。しかし、宗教への無理解が誤解を生む側面も無視できない。そこで、経済メディアならではの視点で新宗教を切り取った週刊ダイヤモンドの特集を再掲し、特集『「新宗教」大解剖』としてお届けする。#10では、宗教団体ワールドメイトの教祖(リーダー)である深見東州氏に話を聞いた。教団トップの顔とギャグ満載の風変わりな広告を新聞などに大量掲載するワールドメイト。コンサートやチャリティー活動など、宗教とは無関係にも思える取り組みの狙いは何か。
──深見さんの顔写真入りの新聞広告を数多く出していますね。
“天啓”によって60歳から新聞広告を出すことにしました。その一番のメリットは、ワールドメイトの存在を多くの人に知ってもらえたことです。新会員が大幅に増えたわけではありませんが、会員の親の反対が減り、退会者も少なくなりました。
──コンサートなどのイベントに力を入れている理由は。
ワールドメイトでは、「宗教的宗教活動」と「普遍的宗教活動」に分けて活動しています。
宗教的宗教活動は宗教法人としての宗教活動。普遍的宗教活動とは人類愛に基づく活動や社会貢献の活動、いわゆる布施行としてのスポーツ、芸術、福祉、国際協力などです。
神様は真・善・美の三つの面を持っています。真とは科学や経営などの合理的なもの。善とは宗教、福祉、スポーツ、教育など。そして美とは芸術です。つまり、宗教は真・善・美という神の一部分にすぎない。
ワールドメイトの目指す究極は、真・善・美によって日本を中心とした世界平和を実現することです。それ故、宗教以外の普遍的宗教活動も積極的に行っています。
──芸術や福祉などはもうかるものではないでしょう。
大赤字です。しかし、宗教活動などで寄付されたお金は浄財です。弱者救済や社会還元として使うので赤字でなければいけない。
──世界のVIPをイベントに呼ぶ資金は、ワールドメイト会員の寄付で賄っているのですか。