赤字家計を脱するためには、好きなものを手放す覚悟が必要

 借金は弁護士などの法律家の下で整理し、それと同時に生活費のかけ方など支出の改善に取り組んでいくべきではないかと考えます。再雇用で収入が下がると今以上に赤字が増えるでしょうし、そもそも借金が悪い固定費になっているのですから、圧縮できる部分があるなら圧縮して、負担を軽減すべきなのです。

 ただ、借金を減らすとなれば、Gさんがこだわって購入した高級車を手放さなくてはならない可能性もあります。他にも、住宅以外で資産になりそうなものがあれば、もしかするとそれも手放さなくてはいけないかもしれません。そこを受け入れ、今後の軌道修正をしていく覚悟を決めなくてはなりません。

 奥さんは「ぜひ、そうしたい」と、老後を案じて積極的なのですが、Gさんは「そこまで借金整理が必要なのか?」と納得しきれない様子。今、何とか暮らせているだけに、今後も何とかなるのではないかと思っているのではないでしょうか。

 今の収入を維持できるであろう定年までの期間、それ以後の収入が減った暮らし、退職金の減り方などを見てもらい、将来への危機感をもっと実感して改善に取り組んでもらいたいと、ライフプランのシミュレーションを出してみましたが、Gさんにはそれも響かない様子。ただただ、奥さんが不安がっているだけです。