ロシアがウクライナに侵攻するとまもなく、米国や欧州各国は矢継ぎ早にロシアに経済制裁を科した。  これを受け、ロシア国家統計局をはじめとする政府機関は、さまざまな経済統計の公表を停止した。輸出入、債務、原油生産量、銀行、航空会社や空港の利用者数など、それまで定期的に報告されていたデータが次々に姿を消した。  だが戦争が長引くにつれ、不可解なことが起きた。ロシア経済は予想以上に堅調だとメディアが報じ始めたのだ。4-6月期の国内総生産(GDP)が前年同期比4%減にとどまったことや、失業率が3.9%と過去最低を更新したことなどがそれを裏付けているという。