学者やエコノミスト、評論家の間では、米国がリセッション(景気後退)入りしているかどうかを巡る議論が盛んだ。投資家の多くは、経済を巡る不確実性やこれに伴う金融市場への影響が見えない中で、ポートフォリオをどう見直すべきか考えを巡らせている。景気後退に陥っているとすれば、リターンを最大化するための最適なポートフォリオにするにはどう調整すべきか。これから景気後退入りする状況だとすれば、どうすれば良いのか。筆者は研究助手のジ・ヤンとユージ・パンとともに、景気後退入り前と最中で、各資産クラスのパフォーマンスについて検証した。景気後退については、全米経済研究所(NBER)がここ50年にわたって認定してきた定義に基づく。過去7回の景気後退(1973~75、1980、1981~82、1990~91、2001、2007~09、2020年)について研究したところ、景気後退入りまではグロース株が首位に立っていることが分かった。だが、いったん景気後退に陥ると、フィックストインカム(主に債券など総合確定利付き投資)が株式を大きくアウトパフォームしており、外国株は突出してリターンが最悪だった。