JAと郵政 昭和巨大組織の病根#2Photo:Malte Mueller/gettyimages

ダイヤモンド編集部は、農協職員ら1386人から得たアンケートの回答に基づき、農協職員が本来は不要な共済(保険)に加入する“自爆営業”が横行しているワースト24JAのランキングを発表する。1位の農協の職員は、共済事業の大元締であるJA共済連から農協トップに流れる報酬の額を暴露した。特集『JAと郵政 昭和巨大組織の病根』の#2では、共済の自爆営業の実態と、それを誘発するJAグループの職員搾取のカラクリを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

大型合併農協の組合長の年収を初公開
“役得”を守るため無理な共済推進を指示

 ダイヤモンド編集部は農協職員へのアンケートの回答に基づき、共済の自爆営業が横行している農協別のランキングを初めて発表する。

 前回の特集『JA自爆営業の闇 第2のかんぽ不正』では自爆が多い都道府県別のランキングを掲載したが、農協別のランキングまでは踏み込んでいなかった。

 今回、農協別のランキングが可能になったのは、アンケートの期限を延長して、有効回答数を877から1386に増やすことができたからだ。

 アンケート回答者からは共済の推進による精神的、経済的な負担を訴える声が相次いだ。共済の平均自爆額は月額5万4067円だった。中には月額40万円以上を自爆している人もいた。自爆は職員の可処分所得を目減りさせ、横領など不正の温床となる。このことは、不祥事が多発したJA高知県やJAおおいたの第三者委員会がそれぞれまとめた報告書でも指摘されている。

 自爆が横行し、職員の大量離職リスクや、職員のモラル低下リスクにさらされている農協はどこなのか。次ページの「JA共済“自爆営業”農協ランキング」で明らかにする。