農協は政治力を使って「農協改革」を擦り抜けた。地域住民に保険やローンを提供できる既得権を守ることに成功したのだ。一息ついた農協だが、足元では組織の“根腐れ”ともいえる病が進行していた。「JA支持率ランキング」では、農家の支持率100%のトップ農協から支持率が25%しかない下位農協まで大きな格差があることが浮き彫りになった。特集『儲かる農業 堕ちたJA』(全17回)の#6では、優勝劣敗が鮮明になった理由に迫った。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
首位JAの農家支持率は100%!
農協間の「優勝劣敗」が鮮明に
肥料など農業資材の高騰や後継者問題などで農業が大淘汰時代を迎えている。
農家の生き残りを懸けた戦いをどうサポートできるかで、農協の価値が決まるといっても過言ではない。
ダイヤモンド編集部が毎年作成している「JA支持率ランキング」は、「担い手農家アンケート」に回答した農家からの「支持度」と、財務データに基づく「経営健全度」の二つの物差しで農協を格付けしたものだ。
いずれの物差しも、農協が存続するための条件である(1)有力農家からの支持があるか、(2)大幅減益が避けられない信用・共済事業に依存せず、農業関連事業でしっかり稼いでいるか――を重視して設定した(詳細は次ページのランキング作成方法と見方を参照)。
次ページでは「JA支持率ランキング」の完全版を公開し、1位から89位のワースト農協までの実名を明らかにする。農協間の格差拡大の要因を見ていこう。