郵政消滅#12Photo:REUTERS/AFLO

利用者から見れば「郵便局で働いている人」は誰も同じ職種のように映るかもしれない。日本郵政グループに従事している社員は約40万人に上る。その中には、旧特定郵便局長、旧普通郵便局長、本社幹部、旧郵政省官僚、一般職など、出自もキャリアも全く異なる“人種”が混在している。特集『郵政消滅』(全15回)の#12では、日本郵政グループ社員の「ヒエラルキー」を徹底解剖する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

多層構造が組織をむしばむ
日本郵政の特有のヒエラルキー

 日本郵政グループは、壮大な“人種のるつぼ”だ。旧郵政省出身組のキャリアとノンキャリア、本社・支社の幹部と郵便局の現場職員、旧普通郵便局長と選考任用で採用されてきた旧特定郵便局長……。

 こうした人種の多層構造は、日本郵政が制御不能の組織に陥っている一因だ。そして、旧態依然とした組織思想や序列意識が、郵政グループの成長を阻む悪因となっている。

 キャリア、人事、給与などを基に、その全容を解剖しよう。