関西主要60駅の相続税額トップ3
夕陽ケ丘、森ノ宮、御影が1000万円超

 関西の主要60駅のうち、2021年の路線価をベースに試算した相続税額で1位となったのは、大阪メトロ谷町線の四天王寺前夕陽ケ丘駅で1655万円だった。大阪の代表的な高級住宅街の一つで、文教地区としても人気がある同駅の相続税額は、やはり高かった。

 1位に続いて1000万円台となったのは2駅ある。JR大阪環状線の森ノ宮駅(2位、1115万円)と阪急神戸線の御影駅(2位、1115万円)だ。森ノ宮駅は前年比で45万円増となり、御影駅に並んだ格好となった。

 4位は大阪メトロ谷町線の天神橋筋六丁目駅(845万円)。谷町線と堺筋線、阪急千里線の3路線が乗り入れている。全長約2.6キロメートルで日本一といわれる長さを誇る天神橋筋商店街もあり、利便性の高さには定評がある駅だ。

 5位には京阪本線の天満橋駅(800万円)が続いた。大阪府庁の最寄り駅であり、大阪城も近い。また、千里ニュータウンの中心に位置する千里中央駅は、455万円で18位だった。

 なお、本特集『JR・私鉄「全国376路線」ランキング』の#4『鉄道「沿線経済力」ランキング【首都圏28路線】5位は東京メトロ東西線、1位は?』では、首都圏のどの沿線の地価が今後値下がりしにくいかを探っている。

 具体的には、最新の住宅地価から算出した路線別「平均地価」に加え、足元の人流や30年後の人口動態のデータを駆使することで、主要路線の「沿線経済力」を割り出して序列化している。併せて確認してほしい。

*ランキングの対象は、高級住宅地や複数路線の乗り入れ、人気路線などから選んだ関西地方の主要60駅。相続税の課税額は、税理士法人弓家田・富山事務所の弓家田良彦代表社員監修。試算の条件は、自宅の敷地150平方メートル、築25年で延べ床面積90平方メートルの木造自宅一戸建て(固定資産税評価額200万円)、預貯金3000万円を相続したケース。被相続人は母親(2次相続。父親は既に死亡)で、相続人は子供1人。自宅は母親の1人住まいで子供は持ち家あり(小規模宅地等の特例での減額は適用できない)。2021年路線価は各駅から最短距離の「第一種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」。相続変動額と相続税額は千円以下を四捨五入。

Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic:Daddy’s Home