不動産仲介に必要な
ソリューション実現の2要件

 不動産の仲介を中心とするビジネスでは「ソリューション」という言葉がよく使われる。要は不動産を使って問題解決を行い、その際の手段として仲介があるという考え方だ。

 これを実現するには、2つの要件が必要になる。

 一つは売り上げ目標などが気にならないくらいの「稼ぐ力」が必要だ。

 もう一つは、専門的な解決能力を持つことだ。それは、仲介にもう一つの業務を組み合わせることになる。

 たとえばそれが鑑定なら、評価方法の妙で評価結果のギャップをうまく突くことだ。

 不動産の鑑定評価手法は3つ(取引事例比較法、収益還元法、原価法)あるが、積算では100の価値であっても、収益還元にすると130の価値を生むようなことだ。この他、設計や建築で付加価値を高めることや、収支が良くなるように不動産を再生することや、当社のようにデータとITで不動産業の新たなビジネスモデルを打ち立てることだったりする。

 ちなみに当社の場合は、個人向けには自宅での資産性の高い物件を見つけ出す法則性を発見し、住まいサーフィンという無料会員制サイトで28万人に教えて、自宅での資産形成を再現させている。ソリューションとは取引を成立させること以上に、問題解決することが要件になる。

 不動産業はある意味で総合ライフスタイル提案業であるが、それには高度な能力が必要になる。その前段でつまずいているようでは、いい仕事はできない。この業界を志すなら、大義を格好良く実現する気構えで望んでもらいたい。そうでないと、「不動産屋」に成り下がってしまう。その差は比較にならないものなので、心して臨むべきだろう。