政府、24年ぶり円買い介入
日銀は「緩和維持」で逆方向
円安が進む中で政府は9月22日の夕刻に、24年ぶりの円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。
鈴木俊一財務相は、円相場の「過度な変動」を抑えることを介入の狙いと語ったが、「変動が問題」という場合の「変動」とは、通常はトレンドの周りの変動を指す。
だが実際には、今年の3月以降明白な円安が続いており、そのトレンドからの変動はあまり大きくない。
介入の目的は変動の縮小化でなく為替レートの水準そのものだと考えざるをえない。
だがこれに先だってこの日、日本銀行が政策決定会合で決めた金融緩和の維持は円買い為替介入とは矛盾する政策だ。
アメリカなど主要国の中央銀行が利上げを続ける中で日銀が金利抑制を続けているから金利差が拡大し円安が進んでいるのだ。
政府と日銀が逆方向の政策を取ることになっており、市場参加者はどちらを信用してよいか分からなくなり、その結果、通常言われる意味での「変動」(=トレンドの周りの変動=ボラティリティ)が増し、円相場はむしろ不安定化する。