円買い「単独介入」効果が限定的な理由、米景気減速までの時間稼ぎPhoto:Bloomberg/gettyimages

24年ぶりの円買い為替介入
円急騰後は円安方向に巻き戻し

 円安が加速する中で、政府は9月22日、円買いの為替介入の実施に踏み切った。

 為替介入は2011年11月以来、円買い介入は1998年6月以来24年ぶりのことになる。

 これは単独介入であり、欧米の中央銀行は為替介入を実施していないことが、その後、確認された。

 同日に日本銀行は金融政策決定会合で金融政策の「緩和維持」を決め、さらに記者会見で黒田東彦総裁が予想されたほどには円安けん制で強い姿勢を見せない一方、金利引き上げなどの政策修正の可能性を改めて強く否定したことから、円ドルレートが1ドル146円近くまで円安が進んだことを受けての介入だった。

 政府は1ドル145円程度を防衛ラインとして想定している可能性が考えられる。

 だが介入直後に一時140円台まで一気に円高に戻ったとはいえ、日本の単独の円買い介入では効果は限定的と言わざるを得ない。