京都駅と六地蔵駅も
大規模に改良

 今回、改良されるのは線路だけでない。あわせて山城青谷駅・玉水駅の駅舎橋上化やJR藤森駅・桃山駅・木幡駅などでのバリアフリー化工事が進んでいる。

 特に規模が大きいのはターミナルである京都駅だ。朝ラッシュ時間帯で激しい混雑が常態化していたためホーム拡幅、乗り換え通路に直接つながるエスカレーター・階段の新設に着手し、既に供用を開始している。そしてもうひとつがホームと駅舎を移設する大規模な改良工事が進む六地蔵駅である。

 六地蔵駅は半径400メートルのカーブ上にホームがあるため、列車とホームに大きな隙間があり、ホームも狭く傾斜している。ホーム端の隙間を埋めるくし状ゴムや転落検知マットなど転落対策がなされているが安全性に問題があった。

 六地蔵駅前には400戸の大規模マンションがあるが、近く新たな600戸のマンションが竣工する予定で、利用者のさらなる増加が見込まれるため、駅改札口や階段・エスカレーターも含めて駅を造り直そうというものだ。

 カーブ上にホームがあったのは京都方に山科川を渡る単線の橋梁があり、そこから線路を上下ホームに分岐するとなると、ここに置かざるを得なかったからだ。しかし複線化により橋梁が増設されたため、線路の直線部にホームを設置することが可能になった。

写真:六地蔵駅の新ホームから見たカーブ上の旧ホーム六地蔵駅の新ホームから見たカーブ上の旧ホーム(筆者撮影)

 首都圏在住者に説明するなら、2020年7月にホームを曲線部から直線部に移設した中央・総武線飯田橋駅と同じような工事だと考えてもらえば話が早い。ちなみに飯田橋駅のカーブは半径300メートルで、六地蔵駅よりもきつかった。