心理的安全性が低い職場だった場合、どうやって安全性を確保するか

 あなたがチームのリーダーだとして、もし「うちの職場は、心理的安全性が高いとは言えない」と感じるなら、雰囲気を変える努力ができるでしょう。

「心理的安全性」の高いチームほど全体の生産性は高くなります。お互いが弱い部分をさらけ出し、お互いに助け合えるチーム、頼みごとも抵抗なくし合えるチームこそ、「強いチーム」なのです。

 しかしあなたがリーダーではなく現場の人間であって、職場の雰囲気を変えるようなポジションにいないとしたら……?

 そういう場合でも、「心理的安全性」を確保する方法がある、とエドモンドソン教授は言います。

 教授は心理的安全性を高めるために、個人でできる簡単な取り組みとして、次の3つを挙げています。

(1)仕事を実行の機会ではなく「学習の機会」ととらえる
(2)「間違うこともある」ということを、自分で認める
(3)チーム内では、好奇心を表明し、積極的に質問する

 もしあなたのチームが、“4つの不安”をあおるようなチーム、すなわち「無知だ」「無能だ」「邪魔をする人だ」「ネガティブなやつだ」などとあなたを責めてくるようなチームだったとしても、あなた自身だけは「あなたの心理的安全性」を確保してあげるようにするのです。

 不安をあおって人を動かそうとするチームにいると、自己肯定感が下がり、行動が萎縮し、ますます自信を失うというような「負のループ」に陥ります。

 ですからそんなチームにあっては、自分で自分に「安心」を与える努力が大切なのです。

不安な職場で心理的安全性を確保する、「リフレーミング」ワーク

「自分で自分に安心を与える」ときに有効な方法に、「リフレーミング」があります。

 リフレーミングとは、「考え方の枠組み(フレーム)を変え、別の視点から解釈する」ことを言います。たとえば、「わたしは消極的な性格だ」という考え方をリフレーミングすると、「わたしは思慮深い性格だ」と解釈し直すことができます。

 注意したいのは、これは単に、無理やりに前向きに考える「ポジティブシンキング」とは違うということです。

「リフレーミング」するときは、紙とペンを用意します。