グアムまで届くことを米国に見せつけたかった

 10月4日のミサイルは、飛行距離4000キロメートル級であり、初めて本格的に米国領であるグアムが射程距離に入った。5年前に日本上空を飛んだ際は、グアムまではまだ届かないとみられていたので、今回は技術的に大きな進捗を遂げている。

 ただ、勘違いすべきでないのは、グアムが北朝鮮の実際の攻撃対象になるということではない。攻撃対象になりうること自体が、北朝鮮にとって大事な対米抑止になる。グアムまで届くミサイルを開発したことを米国に見せつけたかったわけだ。

 そもそも、ミサイル発射にしても、合同軍事演習にしても、抑止のためである。実際に攻撃するためではない。安全保障の分野では、「こっちに何かしてきたら反撃するだけの軍事力を持っている、覚悟しておけ」と常日頃アピールすることが大事なのだ。

 気がかりなのが、北朝鮮による核兵器の小型化・弾頭化だ。今後、核弾頭が米国領にまで到達しうることによって、対米抑止が真に効果を持つだろう。

 西側の呼びかけに聞く耳を持たない金正恩総書記。今後の展開はどうなるのか。