生保協会の業務品質評価に「大きな進展」、代理店自己点検への代替が可能に

生保協会の業務品質評価が
代理店自己評価の代替へ

 生命保険業界を挙げて取り組んでいる乗り合い代理店の業務品質評価。主導しているのは業界団体の生命保険協会であり、2020年6月に初めての会合を開いて以降急ピッチに作業を進め、初年度の業務品質評価に応募した54社への評価作業が今まさに行われている。

 これまでの経緯は、今年のダイヤモンド・オンライン保険特集『生保の優良代理店に業界が“お墨付き”、金融当局も注目する「業務品質評価制度」の行方』を参照していただきたいが、ここにきて生保協会主催の業務品質評価に大きな進展があった。

 一つは、8月31日に金融庁が公表した今事務年度金融行政方針にて下記の通り、業務品質評価について記されたこと。

「⾦融庁としても、各⽣命保険会社において、当該業務品質制度及び評価基準が代理店への評価に関する参考として活用される など、代理店の業務品質評価に係る取組みが各⽣命保険会社に広がるよう促していく」(2022事務年度 金融行政方針から抜粋)

 二つ目は、その約半月後の9月14日に開催された代理店業務品質検討ワーキンググループ(WG)の第2回会合だ。金融庁幹部が改めて金融行政方針と同様の説明をしたのに加え、生保各社の営業施策全般を所管する業務企画部会の部会長から、業務品質評価を代理店共通自己点検の代替として活用するとの表明がなされたのだ。

 WGの前身であるスタディグループを通して二十数回にわたる会合が行われてきたが、業務企画部会長が公に発言するのは初めてのこと。それだけ大きな内容であり、生保にとっても自己点検より効果的だと判断したわけだ。大手生保を始めとし、二桁を超える生保において代替利用を進めるもようだ。

 これは、各生保から要請される自己点検の手間を大きく軽減できるため、代理店にとってはかなりありがたい話。しかも、業務品質評価を受けるメリットがまだ不明瞭な中で優位な点となるだろう。

 生保協会の業務教育部担当部長の濱田義博氏が、「想定していた時期よりも1年前倒しになり、正直驚いています」と言うほどで、早期に業務品質評価が生保業界全般で認められたかたちとなった。

 加えて、自己点検の代替だけでなく、手数料に反映する動きも加速しそうだ。