損保代理店の収入が激減する
手数料ポイント制度
9月16日夕刻、大阪市中央区北浜で「手数料ポイント制を考える会」のセミナーが開催された。リアルでの参加者は約100人、オンラインでの参加者も定員の100人となり、総勢200人となった。このテーマに対する関心の高さが窺える。
損害保険会社と損保プロ代理店――。両者はメーカーと販売会社の関係にあるが、その関係性はかつてないほどに悪化している。その主たる理由は、代理店手数料ポイント制度にある。
詳細は、今年のダイヤモンド・オンライン保険特集「損保vs損保プロ代理店の深まる溝、『手数料ポイント制度』の影響で代理店の収入激減」をご覧いただきたいが、損保代理店は、損保会社が定める規模や増収率、各種施策に応じて決められた基準を達成しなければ、手数料を一方的かつ大幅に減らされてしまう。それが、手数料ポイント制度だ。
セミナーの冒頭でも示されたが、手数料ポイントの幅は20〜130ポイントと約6倍の差があるという。つまり、1000万円の手数料収入があるとすれば、手数料ポイントによって200万〜1300万円に収入が変動する。しかも収入保険料の額や増収率の割合が高いことから、中小零細の損保代理店にとってはポイントが低くなり、死活問題となるわけだ。
もっとも、それは大規模代理店でも同様で、「母数となる収入保険料が大きいだけに増収するのは難しい。達成できなければ減収になるが、数ポイントの減収率であっても、金額としては大きくなる」と複数の大規模代理店の幹部は言う。
こうした理由から、手数料ポイント制度に対する不満は規模の大小を問わず、各地の損保代理店から巻き起こっている。そこで今年1月、関西の損保代理店を中心に手数料ポイント制を考える会が立ち上がったが、今では全国の損保代理店が参画し始めているという。そして、複数の国会議員や弁護士たちの力を借りて手数料ポイント制の改善に向けて動き始めたのが、本セミナーというわけだ。
次ページ以降では、セミナーに参加した国会議員たちが何を発言したのか、また、手数料ポイント制の会の幹部による手数料ポイントの成り立ちについて、そして弁護士たちによる見解について詳述していこう。