大理石や鉄板などにもできる防滑加工 工場や病院、駅などの転倒事故を減らす

──御社が扱う「カパラグリップ」「クリアグリップ」とはどんな商品ですか?

加来 工場や病院、駅、遊園地など、さまざまな施設の床や階段に使われている防滑材で、粘着シートやテープではなく塗布するタイプです。地味で目立たないので、読者の皆さんも知らないうちにその上を歩いたことがあるかもしれません。開発元は静岡県浜松市のイーモアで、弊社は代理店として施工まで行っています。

──どんな特徴があるのでしょうか?

大理石や鉄板などにもできる防滑加工 工場や病院、駅などの転倒事故を減らす代表取締役会長・加来義人氏。1965年生まれ。中部測量専門学院卒業後、建設会社を経て、99年に日孝建設を設立。2015年に日孝T&Kを設立し、代表取締役会長に就任。

加来 カパラグリップ(以下、カパラ)とクリアグリップ(以下、クリア)、二つに共通するのは、いぶし瓦や赤瓦などの廃瓦や陶磁片、火山灰などをリサイクルして原料にしていること。環境に優しい商品でありながら製品自体の性能も優秀です。

 まずカパラは、滑り止め性能が非常に高い。東京都などの地方公共団体では、舗装ブロックの滑り抵抗値(BPN)について「湿潤状態で40BPN以上」を基準としていますが、カパラを施工した路面は、路面温度20度時で92.2BPNという高い数値を示しました。

──かなり滑りにくくなりますね。

加来 さらに耐久性の高さも特徴です。油脂類や熱、紫外線、海水などに強い耐性があり、一度塗布したら半永久的にメンテナンスがいりません。防さび効果もあり、コンクリートはもちろん金属にも施工可能。瓦の色を生かして赤、チョコ、ダークブラウンなどの5色があります。

──カパラとクリアの違いは?

加来 クリアは透明なので、塗布しているのがわからないのが最大の特徴です。防滑性能や耐久性はカパラの方が上ですが、クリアは大理石やタイルなどにも防滑加工ができます。施工料金はカパラが1平方m当たり8500円。クリアが6000~7000円です。