爆発物処理手当の最低金額は
日額わずか250円

 筆者は以前、SNSにおいて「自衛隊は基本給が低くても手当は大きいんでしょ?」と聞かれたことがある。

 国を守り、災害派遣で被災者の命を救命する自衛隊員の任務は危険でキツイ仕事が多い。だからそれなりに手当は出してくれるはずと想像する人が多い。だが、残念ながらそうではない。数ある自衛隊の手当の中で、爆発物処理に関する手当がとても衝撃的であったので紹介する。

 終戦から77年経過した今でも第2次世界大戦時に降り注いだ砲弾の一部は地下に眠っている。令和4年10月13日に発表された令和3年1年間の不発弾処理実績では、陸上自衛隊では1255件(31.9トン)、海上自衛隊では2646件(4.0トン)の不発弾処理を行っている。

 その年度でばらつきはあるが、今も多数の不発弾が見つかり自衛隊は処理を行っている。この不発弾やサリンなどの特殊危険物質の取り扱いには手当が支給される。その処理業務に応じて防衛相が金額を定めている。最高金額は日額1万400円支給されるが、最低金額ではたった日額250円しか出ないという悲しさだ。

 最高金額である日額1万400円に該当する作業についても、信管除去作業、発火する等著しく危険な不発弾等の運搬、爆破等の業務といったわずかなミスで命を落とす危険な作業だ。とてもその手当では業務に見合っているとは思えない。

 他にも落下傘降下作業手当は作業1回6650円、潜水作業等に支給される異常圧力内作業等手当が潜水深度20mまで毎時310円、除雪手当は日額450円等がある。このような命の危険のある作業や重労働でもわずかな手当しか出さない国は、自衛隊員を軽視しすぎているように思う。

 もう一つ、自衛隊の手当に関して多くの人に知ってもらいたいことがある。