倒産危険度ランキング×インフレ・過剰債務で危ない725社#4Photo:PIXTA

自動車部品大手のマレリホールディングスが今年6月に倒産したことは、自動車業界の苦境を強く印象付けた。半導体不足など、厳しい状況は依然続く。来年、第二のマレリは現れるのか?特集『倒産危険度ランキング×インフレ・過剰債務で危ない725社』(全8回)の#4では、金利上昇、インフレ耐久度といった独自の試算に加え、身の丈を超えた有利子負債を抱え込んでいないかどうかなど、五つのチェックポイントで自動車業界を総合的に評価。五角形のレーダーチャートで、その診断結果を分かりやすく見せた。なお、この記事は無料公開(要会員登録)。#3の完全版ランキングとセットで読むと、よりグラフィカルに自動車業界で危険な会社の状況をつかむことができる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

マレリ倒産で注目度を高めた自動車業界
その病巣を5軸チャートで可視化

「次のマレリはどこになるのか?」「今の厳しい状況が続けば、あの会社も経営破綻が避けられないのではないか?」

 自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が、法的整理に追い込まれたのは今年6月のことだった。負債総額は優に1兆円を超える。自動車業界の苦境を強く印象付けたこの倒産以降、第二のマレリを警戒する問い合わせが、信用調査会社で引きも切らなくなっているという。

 自動車業界の倒産動向に対する注目度の高さは、11月に配信した特集『選別開始!倒産危険度ランキング2022』の中でも裏付けられた。倒産の急増が懸念される2023年を前に、足元で倒産リスクを確認しておくべき16業界について、ダイヤモンド編集部は16本の倒産危険度ランキングを作成。最も反響が大きかったのが、『倒産危険度ランキング2022【自動車25社】』だったのだ。

 そこで今回は、倒産危険度で「危険水域」に入った25社を含め、自動車関連の全109社を対象に、金利上昇やインフレ耐久度といった独自のシミュレーションに加え、身の丈を超えた有利子負債を抱え込んでいないかどうかなど、五つのチェックポイントで自動車業界を総合的に評価。五角形のレーダーチャートで、事業会社2860社との優劣を徹底比較し、その診断結果を分かりやすく可視化した。

サンプル図版

 自動車業界が抱えるウイークポイントは、どこにあるのか。早速、確認していこう。