キーマンは慶應OBの「ミスター外資」
創立150周年事業で発揮された集金力
それが当時日本IBMの社長だった椎名武雄氏である。椎名氏は経団連や経済同友会といった財界の要職に就き、日本における外資系企業の“地位”を向上させたことから「ミスター外資」との異名も取る。
実は、その椎名氏は慶應の工学部(現理工学部)の出身なのだ。椎名氏は慶應義塾の「最高幹部」評議員も長く務めた。椎名氏の日本IBMの後任社長の北城恪太郎氏も同じ慶應工学部出身。北城氏は現職の評議員で、椎名氏からバトンを譲り受けた形だ。
このエピソードが示すのが、産業界における強固な三田会人脈の存在である。もちろん人脈は、慶應の集金力にも直結する。
集金力で圧巻だったのが、2008年の創立150周年事業に関するものだ。SBIホールディングス社長(当時)の北尾吉孝氏は1億円、大正製薬ホールディングス社長の上原明氏は9300万円を寄付している。
個人だけではない。東急三田会の1799万円を筆頭に、関西不動産三田会の1035万円など企業ごとや業種ごとの三田会の集金活動も活発だった。
慶應義塾の圧倒的な集金力の背景にあるのが、創設者、福澤諭吉による「社中」という思想である。現役学生や塾員(卒業生)、そして教職員ら慶應に関わる関係者の団結力の源泉である。
三菱や三井といった旧財閥と慶應は福澤諭吉を介し、深い縁で結ばれている。そうした歴史的な背景もあり、銀行や商社、不動産、メーカー…各業界で慶應は圧倒的なネットワークを築いているのだ。