ポイント2
無料のものをもらわない

「これは無料です」と聞くと心が躍る。街中で配られるティッシュも、サンプル品も、ビジネスホテルのアメニティーも、「無料なら」ついつい多めにもらってしまう。

 しかし、お金が貯まらない家にぎっしりたまっているのは、こうした「無料品」が案外多い。無料のサンプル品も、そのときはトクした気になるが、そのまましまい込んで忘れてしまえば、ただの場所ふさぎになるだけだ。

 お金が貯まる人の家はスッキリしているが、貯まらない人は細々したものにあふれているものだ。

 なぜなら、貯まる人は、何かを買うときでも「これは必要なのか?」とよく吟味するからだ。

 逆に貯まらない人は、「無料ならいいか」「クーポンが使えるならいいか」が先に立ち、要不要の判断が甘くなりがちだ。家の収納がそうした不用品であふれると、整理整頓の妨げになり、必要なものが見つからない。面倒くさくなって、新しいハサミをまた買ってしまった――というのはまさにムダ。家をスッキリ保ち、余計な出費を招かないためにも、無料のものはもらわない方が無難だろう。

ポイント3
「いつか使うかも」と、しまっておかない

 年末といえば、大掃除シーズン。またとない不用品処分のタイミングだ。

 それなのに、整理整頓が苦手な人の口からよく出るのが「いつか使うかも」という言葉だ。特に、まだ数回しか袖を通していない洋服が出てくると、こう言いがちだ。洋服はかさばるので、捨てるのが忍びない。そこそこ高かったものだとすれば、余計に捨てる踏ん切りがつかない。結局、「いつか使うかも」とつぶやいて、クローゼットの奥の方にそっと押し込まれるのだ。

 しかし、洋服の賞味期限は短い。シーズンが終われば、数年後にリサイクルショップに持っていっても二束三文にしかならない。そもそも、その服に出番がなかったことには理由があるはずだ。サイズがややきつい、デザインが古い、今の年齢に合わないなどで、時間がたっても解決しようもないことが原因になっているケースが多い。そういうタンスの肥やしが増えるとクローゼットが混雑し、すでに持っている服と似たようなものを買ってしまう原因にもなる。「いつか使う」日はもう来ないと諦めよう。

ポイント4
オートチャージはしない

 消費者にお金を使わせるには、支払いまでのアクションを途中で止めないことが大事だという。お財布を開いて足りるかどうかお札を数える、カードのセキュリティコードを入力する、電子マネーの残高を確認する…そうしたひと手間が発生すると、人はいったん冷静になる。残高が足りないならやめておくかと考える一瞬が生まれる。

 それを省くのが、オートチャージでのキャッシュレス払いである。買うと決めてから支払うまで、一度も導線が途切れない。お財布から出ていくお金もないので、実感も湧きにくい。支払ってもらう側にとって、ありがたい仕組みというわけだ。

 決済事業者がしきりにオートチャージ設定を勧めるのも、消費のハードルが下がるからに他ならない。だから、お金を残したいならオートチャージはせず、あえてその都度チャージのような面倒な手続きを残しておく方がいいのだ。