ポイント5
食べ放題には行かない

「食べ放題はオトクか?」というテーマは何度も繰り返されている。結論としては、店側が損をしない価格設定にしているはずなので、客にとって100%オトクとは言いきれないだろう。

 メニューに何を出すかは店の裁量に任されているので、肉や魚介などの目玉商品とスイーツの豊富ささえクリアすれば、あとはさほどコストがかかっていない炭水化物系のおかずを増やすことで調整できてしまう。

 しかし消費者側は、店に入れば1人○○○○円という価格が決定されていて、内容の満足度にかかわらず払わなければならない。初めから勝負はついているので、そもそも一回の食事に安くはない金額を払ってもいいかをちゃんと考えよう。

 ファミリーで食べ放題に行くのは、オトクというよりあれこれ選べる楽しさが目的でもあることだろう。食費というよりレジャー費扱いで、テーマパークに行ったと思えば納得できる。ただし、大人同士で食べ放題に行き、そこそこの代金を払うなら、もっと雰囲気も品質もいい、ぜいたくな食事ができるのではないか。中途半端なメニューにそれだけの金額を払うのは、なんとももったいない使い方と言っていいだろう。

ポイント6
「平均」や「目安」を気にしない

 家計診断の記事を見ると「貯蓄は収入の○%」「小遣いの目安はいくら」といった目安の数字が登場するが、確実に貯めたいならそれにこだわらない方がいい。

 平均や目安はわかりやすい言葉だが、隣の家と我が家とでは収入も家族構成も住宅ローンの残高も全部が違う。それを同じ「平均」に当てはめても説得力はない。目安の数字を出す方が説得力がありそうだからと記事で使われているだけにすぎず、家計は十人十色、千差万別だ。

 平均や目安を気にしすぎると、身の丈以上の積立貯蓄をしようとして逆に続かない。家計が赤字になったり、小遣いが全然足りず、別の費目から回してくることになりかねない。無理なく続けられる積立額は、「平均」ではなく我が家の収支から導き出すべきだ。

 そもそも老後2000万円問題が炎上した際、さんざん「あれはあくまで例ですから」という弁明を聞いたはず。家庭ごとの支出が異なれば、必要な老後資金も異なる。他人が言った数字に振り回されないことだ。

ポイント7
面倒がらず、先延ばしにしない

 我々は「ズボラ貯蓄」とか「ほったらかし投資」のように、楽してトクするという文言に弱いが、そう簡単にはいかない。最初の手間をかけなくては、ズボラもほったらかしもありえない。そのひと手間を惜しんでは、いつまでたってもお金は増えないのだ。

 来年こそもっと貯蓄を増やしたいと思うなら、この年末年始の間に、毎月発生している支払いの再チェックから始めよう。今年一年を振り返って、このサービスはあまり使わなかったと判断した月額契約などを棚卸しし、早めに解約することだ。これを先延ばしにしていると、ずるずる無用なお金を払い続けることになってしまう。

 年内は忙しくて解約までは無理というなら、必ず期限を決めよう。2023年の新しい手帳を開き、自分で決めた期限を書き込み、それ以上の先延ばしはしないと決めよう。

 もちろん、浮いたお金は貯蓄なり投資なりの積立額に上積みすることが肝心だ。たとえ少額でも、時間ととともに大きな資産に育ってくれるだろう。