為替介入が「逆効果」になる!?
藤巻健史 著
定価1100円
それどころか、今後は為替介入が逆効果になることすら考えられます。
「PKO」という言葉をご存じでしょうか。「プライス・キーピング・オペレーション」のことを指し、株価を押し上げるために政府が株式の買い介入をすることを、かつてはそう呼んでいました。PKOと言えば自衛隊の海外派遣のことを思い浮かべる人がほとんどですが、かつてはPKOと言えば株の買い介入のことだったのです。
PKOはバブル崩壊後の株価下落に対抗する形でしばしば行われ、最初のうちは介入が入るたびに株価は大きく値を上げたのですが、その効果は徐々に薄れていきました。しまいには、PKOが入った瞬時に株価が大幅下落するようになったのです。機関投資家がPKOを、「株式市場から逃げる機会」と捉え始めたためです。
まさに本末転倒な話なのですが、これは今の為替介入と非常に似ていると感じます。つまり、徐々に効果が少なくなっていくだけではなく、いずれ、介入した瞬間にむしろ円が下落することになるのではないでしょうか。