日本は「先進国」から陥落する危機に立たされている。今年に入って歴史的な水準を記録した円安が示すように、いまや最弱通貨の円が企業だけでなく家計を直撃しているからだ。「弱い円」はエネルギー価格の高騰を助長し、日本人の購買力も押し下げる。メリットを享受する輸出企業ですら賃金は伸び悩み、日本をますます貧しくさせる悪循環は止まらない。特集『貧国ニッポン 「弱い円」の呪縛』は、12月19日(月)から30日(金)までの全13回で、「貧国ニッポン」の実像をお届けする。
#1 12月19日(月)配信
【スクープ】東京電力主力子会社が再び債務超過へ、「円安敗戦」でまたも数千億円の増資を調整中
東京電力ホールディングス(HD)の主力子会社で小売り事業を担う東京電力エナジーパートナー(EP)が2022年度に再び債務超過に陥る見通しであることが、東電HD関係者への取材で分かった。東電HDは数千億円の増資実行に向けて主力行と調整に入っている。東電EPはなぜ債務超過を繰り返すのか。資本の逐次注入では解消しない東電EPが抱える「病根」の正体を明らかにする。
#2 12月19日(月)配信
トヨタやコマツが「円安最高益」でも給料は伸び悩む理由、国内還元できない会計の落とし穴
大手メーカーは、歴史的な円安による海外事業の利益増で過去最高益ラッシュとなった。だが、トヨタ自動車やコマツの従業員の年間平均給与は伸び悩んでいる。他の大手メーカーも同様だ。なぜ、グローバル企業は国内に“還元”できないのか。実は、企業会計上の構造的な“落とし穴”がある。
#3 12月20日(火)配信
外資系不動産ファンドが「安いニッポン」を買う!お気に入りは数百億円の小粒案件!?
外資系の不動産投資ファンドが日本市場に熱い視線を送っている。円安の加速で、日本の不動産が「お買い得」になっているからだ。しかし、昨今の外資系ファンドは数千億円の高額な案件よりも数百億円の“小粒”を好むという。外資系ファンドの最新の日本市場攻略法を明らかにする。
#4 12月21日(水)配信
三井不・三菱地・住友不…新築マンション、5億円台続々の「超強気値付け」頼みの綱は円安!?
三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが都心に開発する超高級マンション「三田ガーデンヒルズ」。最も高い棟では20億円を超える物件も。土地の仕入れ価格や建設コスト上昇の影響でマンション価格は高騰が続くが、デベロッパーが超強気な値付けをする背景には円安がある。
番外編 12月21日(水)配信
20億円超の部屋も!三井不・三菱地の極上マンション「三田ガーデンヒルズ」の販売価格を大公開
三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが東京都港区に開発する超高級マンション「三田ガーデンヒルズ」。業界内では「数十年に1度」のビッグプロジェクトとささやかれる。ダイヤモンド編集部は、門外不出である三田ガーデンヒルズの販売価格表を入手した。最も高い棟では、中心価格帯は5億円に上り、20億円超の部屋も。間取りや広さ、価格の全容を余すところなく大公開する。
#5 12月22日(木)配信
三菱商事やトヨタの「安すぎ日本人」を外資系企業が爆買い!転職で給料が増える16職種とは
外資系企業にとって円安は「賃金安過ぎ」日本人を獲得する絶好のチャンスだ。ターゲットは、三菱商事やトヨタ自動車など日本を代表する企業の役員級のみならず、部課長級にまで及んでいる。人材仲介会社への取材で判明した、年収500万円から1100万円に倍増したシステムエンジニアなど、転職で給料が大幅に増えた16職種の実例を公開する。
#6 12月23日(金)配信
「超円安時代」に負けない投信46銘柄をアナリストが厳選!NISA改正に備えよ!
「弱い円」の定着で、資産運用法も変えざるを得なくなる。そこで投資信託選びのプロであるアナリストに、円安や円高の両シナリオに加え、投資を始める年齢や経験、熟練度別にお薦めの投資信託46銘柄を厳選してもらった。
#7 12月24日(土)配信
日本は資産を食い潰す「債権取り崩し国」へ!? 歴史的円安を生み出した構造要因の正体
かつて貿易で世界を席巻した日本だが、急速に進んだ円安はついに国民生活をむしばみ始めた。日本は世界最大の「対外純資産国」の地位を失い、過去にため込んだ資産を食いつぶして生きていくしかないのだろうか!?目先の相場の動きにとらわれず、円安を生み出した構造要因に加え、円安の定着が与える経済への影響などについて、みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏に聞いた。
#8 12月25日(日)配信
野口悠紀雄氏が日銀に喝!長期金利引き上げだけではダメ、超金融緩和を今すぐ止めるべき理由
円安は国民生活を破壊し、世界における日本の地位を著しく低下させかねない。日本銀行の「超金融政策」のそもそも何が問題で、どのように変更すべきなのか?経済学の大御所、野口悠紀雄氏が緊急寄稿した。
#9 12月26日(月)配信
第一三共、エーザイは円安で減益!超大手企業50社「為替感応度」リスト
大手製造業にとって円安は増益要因となることが多い。しかし、円安が原材料費や海外拠点のコストの高騰などを助長し、減益要因に働くケースも出てきた。時価総額上位で対ドルの為替感応度が判明した超大手企業50社をリスト化。円安による業績への影響度合いを明らかにした。
#10 12月27日(火)配信
セブン&アイが円安効果で売上高10兆円台へ!「グループ解体危機」乗り切る会心の経営判断とは?
セブン&アイ・ホールディングスの2023年2月期の営業収益が10兆円を突破する見通しだ。国内の流通業で10兆円の大台に乗せたのはセブン&アイが初となる。急速に進んだ円安によって、いまや大黒柱となった海外コンビニ事業の収益が押し上げられた。セブン&アイが円安による「勝ち組」企業になった分水嶺とは。
#11 12月28日(水)配信
タイの富裕層が大視察団!ニセコの次に外国人が「爆買い」するリゾート地とは?
新型コロナウイルスの感染拡大によって敷かれた「令和の鎖国」が全面緩和となり、日本に外国人が押し寄せている。「弱い円」は外国人の安過ぎリゾート地の爆買いを後押ししている。今や物価高騰すら招いている北海道・ニセコに次ぐ「進駐先」になるのは、どのエリアか。
#12 12月29日(木)配信
富裕層の「円安に勝つ」最新節税術を徹底調査!航空機投資、ドル建て保険…
節税手段が次々とふさがれる中、富裕層への課税強化も進んでいる。円安による「弱い円」という環境で、富裕層はどのような節税術を選ぶべきか。富裕層の資産管理の専門家に最新の状況を聞いた。
#13 12月30日(金)配信
「円安はボーナス、日本の需要はアジアナンバーワンだ!」高級ホテル・マリオットの日本トップが語る日本市場のポテンシャル
高級ホテルチェーンの米マリオット・インターナショナルが日本国内への投資を加速している。日本市場は、インバウンドの復調が見込まれるほか、円安で投資妙味がさらに増している。日本トップのカール・ハドソン氏がインタビューに応じ、日本市場のポテンシャルについて語った。
番外編 1月19日(木)配信
“超・階級社会”の闇を暴く「4.4万人最新データ」初公開!全8階級で年収激減の衝撃
日本は「超・階級社会」への変貌を遂げつつある。それは、働き手個人の自助努力ではなく、出自や教育環境、就職時期の経済環境といったにより階級が定まる「日本版カースト」ともいえる理不尽な世界である。初公開する4.4万人分の「階層最新データ」を基に、逆転不能社会の実像に迫る。
Key Visual by Noriyo Shinoda