ロシア軍が2022年2月にウクライナに侵攻した際、この紛争は米国主導によるアジアの秩序に災難をもたらすと思われた。米国はちょうどインド太平洋地域に注意を向けていたが、欧州での戦争は中国共産党の脅威から米国の関心をそらすことになるとみられていた。しかし1年近くたっても、ウクライナでの戦争はアジアにおける勢力の均衡を崩してはおらず、むしろ安定させているのかもしれない。こうした状況が日本ほどはっきりと分かる国はない。国家安全保障戦略や国家防衛戦略で歴史的な転換を打ち出した岸田文雄首相は13日、ホワイトハウスを訪問する。岸田政権が先月発表した大胆な方針の中には、2027年までに防衛関連経費を国内総生産(GDP)比2%に倍増させる公約や、長距離ミサイルなどの強力な防衛能力を持つ兵器を新たに配備する計画などがある。これは、防衛費で現在世界第9位の日本が、5年以内に米国と中国に次ぐ3位に浮上する可能性があることを意味する。既に2023年度予算案では、日本の防衛費は前年度当初予算比で25%超増加する見通しだ。
【寄稿】ウクライナと日本と朝鮮戦争
1950年当時と同様、戦争によって西側は遠く離れた地域の防衛に真剣にならざるを得なくなった
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