聖職者、民主活動家らの
検挙が相次ぐ
2014年の民主化を求める雨傘革命ではキリスト教徒が多く加わり、街中で集まって祈る姿や、讃美歌の合唱や聖書を読むといった光景が見られた。「雨傘革命」といわれるようになったのは、デモの参加者が警察の催涙スプレーから身を守ろうと雨傘を広げたためだ。
その雨傘革命の際、デモ参加者に食事や宿泊場所を提供したのが教会だった。その後の民主化運動でも、カトリック教会、プロテスタント教会ともにさまざまな形で関わってきたのである。
2019年には、犯罪容疑者の本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案をめぐり、デモが発生。それが返還以降、最大規模に発展すると、抗議集会やデモ行進ではテーマソングとして讃美歌が歌われていた。
2020年には香港国家安全維持法の制定により、反政府的な言動への取り締まりが強化され、抗議デモ参加者数百人が逮捕された。以降、締め付けは強化され、民主化に関わりのある教会、聖職者、民主活動家リーダーらの検挙が続いている。