スイスで今週開催されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で企業幹部や政府関係者らは、地政学的な対立、テクノロジーのデカップリング、保護主義によって世界のビジネスと政治の状況は一段と変化し、新たなリスクや脅威、そして一部の人たちにとっては機会が増えていると述べた。国際通貨基金(IMF)のギータ・ゴピナート筆頭副専務理事はインタビューで、「われわれは地経学的分断について非常に懸念している」と述べ、加盟国との会話やダボス会議でも「これはよく出てくる話だ」と指摘した。ゴピナート氏によると、その影響はまだ貿易額には表れていない。だが、米中間のテクノロジーデカップリング、電気自動車(EV)への補助金などの産業政策を巡る欧米間の緊張、戦争による石油・ガス市場の混乱や非効率性などに表れているという。