米電気自動車(EV)メーカー大手テスラに対する需要に陰りがみられるとの報道が相次いでいた昨年終盤、同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は36億ドル(約4700億円)相当の持ち株を売却していた。テスラが年明け1月2日に発表した昨年10-12月期(第4四半期)の納車台数は、同社が投資家に示していた直近の予想を大きく下回る内容だった。これを受け、翌日の米国株式市場では寄り付き直後からテスラ株が激しく売り込まれた。マスク氏による株売りのタイミングは重大な疑問を投げかける。果たして売却時に業況悪化を認識していたのか? テスラは2カ月近く、事業見通しについて投資家に情報開示を行っていなかった。「米証券取引委員会(SEC)はこの問題に多大な関心を寄せるはずだ」。デューク大学のジェームズ・コックス教授(証券法)はこう指摘する。「ここでは、マスク氏がどのような情報を把握し、売却時に市場が(テスラの事業見通しを)どう見ていたかが問題になる。これは重大な局面だ」
マスク氏のテスラ株売却に疑問符、業況悪化認識か
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