米国で昨年、賃金上昇率が特に高かったのは黒人・若者・低所得層だったことが分かった。企業は労働市場の逼迫(ひっぱく)と高インフレを受け、積極的に賃上げを実施した。米労働省が新たに発表したデータの分析によると、2022年末の全労働者の週給(中央値)は前年比7.4%増。第4四半期の消費者物価指数の上昇率7.1%(前年同期比)を上回った。週給の上昇率はフルタイム雇用の黒人労働者が11.3%、16歳から24歳の労働者が10%超、所得が下位10%――1週間の収入が570ドル(約7万4000円)程度――の労働者は10%弱だった。アップジョン雇用研究所のエコノミスト、アーロン・ソジャーナー氏は、労働市場で「数十年にわたって痛み」を経験してきた人々にとって、昨年の賃金増加は願ったりかなったりだったと話す。「こうした人々は自分たちが貢献し、収入を得て、家族と成功を作り上げることができるコミュニティーで生産的な職場をなかなか見つけられないでいた」