マイクロソフトの直近の四半期決算は、まるで過去からの突風にあおられたようだ。しかも良い方向にではない。ソフトウエアの巨人である同社は、パソコン(PC)用基本ソフト(OS)ウィンドウズに依存していた時代から大きな進歩を遂げた。だがウィンドウズは今も利益率の大きいビジネスであり、PC販売が不振になればマイクロソフトの業績を圧迫しかねないほどだ。そして販売不振は現実となっている。調査会社IDCの今月の発表によると、2022年10-12月期の世界PC出荷台数は前年同期比28%減と、少なくとも2015年までさかのぼった同社の集計データで最大の落ち込み幅となった。そう考えると驚くまでもないが、マイクロソフトが24日発表した10-12月期(第2四半期)決算では、ウィンドウズ事業の売上高が前年同期比27%減の約49億ドルとなった。現在の売上高全体に占める割合は10%に満たないが、ウィンドウズを搭載するPCのメーカーがマイクロソフトに支払う金額が大半を占め、利益率に大きく寄与している。そのためウィンドウズ事業を含むモア・パーソナル・コンピューティング部門の営業利益は前年同期比48%減となった。これが大きく響き、同社の10-12月期の営業利益全体は204億ドルとウォール街の予想を約3%下回った。
マイクロソフト、クラウドで暗雲払拭できず
PC販売不振が利益圧迫、「アジュール」事業は底堅いが世界経済低迷の影響を免れない
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