米政府は25日、ウクライナに対して米製戦車「M1エイブラムス」を31両供与すると正式に発表した。ロシア軍に対する反撃強化に向けて、ドイツをはじめとする欧州諸国も戦車供与を表明しており、各国が足並みをそろえた格好だ。米独製の主力戦車供与を巡っては、ウクライナ支援で結束した同盟国の間で不協和音が生じていたが、今回の決定で亀裂は回避された。ドイツのオラフ・ショルツ首相は国内の政治的な懸念から、米国が先にエイブラムス供与を約束しない限り、独製戦車をウクライナに供与することに難色を示していた。ある米政府高官は、「結束こそわれわれの最大の強みであり、きょうの発表もその一例を示すものだ」と述べた。ただ、エイブラムスは米国の在庫から供与されるのではなく、防衛産業を通じてこれから調達される。このため、これまでに米国がウクライナに供与してきた武器の多くとは異なり、エイブラムスが同国に到着するまでに「数週間ではなく数カ月」かかる見込みだという。
米、ウクライナへの戦車供与を承認
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