まずはこのプロセスで相手の心を軽くし、扉をひらかせた後に本題に入ろう。頭ごなしに注意してしまっては、伝わるものも伝わらない。まわりくどくても、まずは相手が話しやすいメンタルを作ることに集中するのだ。

◇「なぜ」を伝える

 優秀なリーダーであればあるほど、目標ではなく目的、つまり「なぜ、この仕事をするのか?」を伝えている。

 なぜ目標ではないのか。それは、目標の場合、それがモチベーションになる人とそうでない人の差がハッキリ分かれるからだ。会社の求める目標と個人の目標が一致しなかった場合、モチベーションが下がってしまうことすらある。

 一方で「なぜこの仕事が必要なのか?」「この仕事がどんな意味を持つのか?」が明確になっていると、モチベーションは上がりやすく、かつ高い状態を維持しやすい。だから優秀なリーダーは「なぜ」を軸に部下やスタッフたちに語りかけている。

◆「あの人のためなら」と言われるリーダーの話し方
◇あえて部下に甘える

「リーダーはネガティブな発言をしてはいけない」「弱点を見せるとナメられる」と思っている人もいるかもしれないが、これは間違いだ。リーダーでも、ときには愚痴ってもいいし、自分の弱みを見せてもいい。

 リーダーだからといって、常に100点を目指す必要はない。70点で合格、80点で上出来くらいの気持ちで十分だ。残りの20点、30点は周りの人にフォローしてもらおう。

 自分に厳しく、常に完璧でいようとして、誰かに甘えられない人もいるだろう。だがその姿勢によって、あなたは他の人が活躍する場所を奪ってしまっているかもしれない。

 あなたの弱みは誰かの強みだ。自分の弱点を隠すのではなく、部下に正直に話し、頼ってみてはどうだろう。リーダーから頼られることで自己重要感が上がる部下は必ずいるものだ。