時限立法ではないと考えるべき

 一方で、本法案の原案には、附則の第2条として、歳出改革を継続するよう努めること等を内容とする規定が置かれていたが、まさに歳出改革と称して各府省の予算の一律削減につながりかねないものであった。それが、責任ある積極財政推進議連の会員議員の尽力により、自民党内議論の段階で、最終案からは削除されるに至った。これは非常に大きな成果であるといえる。

 本法案は特別措置法案と称しながら、時限立法ではなく、財務省が新たな所掌事務を追加したことからも分かるように、特段の事情のない限り、ずっと存続させるものであることは明らかである。加えて、「防衛費が足りなくなった」と称して、累次の改正により積立金の国庫返納の対象が際限なく拡大されていく可能性もある。

 今後の国会審議において本稿において解説した問題点等をしっかりと指摘し、不明な点は明らかにし、少なくともこのまま可決・成立するようなことはないように、関係議員諸氏には尽力願いたいし、国民各位におかれても問題ありとして声を上げるなり、少なくとも問題意識は持っていただきたいところである。