Jアラートが鳴ったら、
とっさにどこに身を隠すべきか
(3)Jアラートが鳴った直後 臨機応変な避難を
Jアラートが鳴ったら、まず何はともあれ避難をしなくてはならない。平時に見つくろっておいた安全な避難場所にスムーズに避難できれば一番いいが、ことは1分1秒を争うため臨機応変な対応が必要だ。
例えば、都会のビルの超高層階にいる場合、階段で地下まで逃げるのは時間がかかりすぎて現実的ではない。エレベーターを使うには、各階停車になったり、中に閉じ込められたりするリスクがある。また、皆が一斉に同じ方向に逃げようとして階段などに殺到し、パニック状態で将棋倒しなどが起こることもあるだろう。そういった時には、下手に逃げるよりも窓から遠ざかる、デスクの下に隠れるなど、その場でできる対応を取ることを濱口教授は勧めている。
「農村などでは地下や堅牢な建物がない場所も多いと思います。どうしても避難先がないという場合には、物陰に隠れるか、なるべく地面の低い位置で頭を下げてかがむだけでも、わずかに生存確率は上げられます。まずは爆風から自分の身、特に頭と心臓を守ることを心がけてください」(濱口教授)
(4)Jアラートが鳴った後:その1 自分のいる場所の近くにミサイルが落ちたら
もし実際に弾道ミサイルが付近に着弾してしまった場合は、状況に合わせた行動が必要になる。ミサイルに積まれているものによっては、臭いなどを感じなくても化学剤などの有毒物質が周辺に広がっている可能性があるため、何はともあれすぐにマスクやハンカチで鼻・口を覆うことを徹底したい。また、手に有毒物質が付かないよういろいろな所を触らないようにすること、手で目をこすらないようにすることも重要だ。
屋内に避難したら、皮膚呼吸による化学剤などの吸収を防ぐため、汚染された衣服はなるべく早く脱ぐことが望ましい。頭からかぶる服の場合は、脱ぐときに顔などに化学剤が付着しないように、ハサミで衣服を切り裂いて脱ぐといいだろう。そして、水や石けんで手や顔、身体をよく洗っておきたい。
「着弾地点からただちに離れなくてはいけませんが、その際はできるだけ風下を避けて避難しましょう。屋外にいるのであれば気密性の高い屋内に避難して窓を閉め、窓や換気扇に目張りをして、有毒物質の侵入を防ぎつつ、次の行動を決めるための情報収集をしてください」と濱口教授はいう。