――例えば、どんなジャンルのバルブを扱っているのですか?

小規模でも飛行機や発電所のバルブを製造、コロナ禍で工場新設の攻めも奏功自社製品の数々

中川 最も売上比率が高いのは下水処理場の設備のバルブで、日本のシェア2〜3割を持っていますが、それだけにとどまっていません。火力や原子力などの発電所の冷却装置やジェット機内の設備にも弊社のバルブが使われています。建築分野では消防設備が多いですね。

 民間だけでなく公共向けも弊社の売り上げの3割に上ります。ゴミ処理場に併設されるリサイクル発電設備にも弊社のバルブが多数使われています。

――何かが悪くても、何かでカバーできる状態になっているわけですね。コロナ禍の影響はありましたか?

中川 ジェット機や海外の一部の国の需要は減りましたが、他である程度カバーできました。一方で、社内に余力が生じたので、そのリソースを使って、2020年にベトナムの第2工場の新設に着手しました。14年にベトナムに第1工場を造ったのですが、土地に余裕があったので、そこにもう一つ工場を建てることにしたのです。22年9月に完成しました。

――売り上げはキープしていたとはいえ、コロナ禍の先行き不透明な中で設備投資をしたのは思い切りましたね。

中川 ただ、コロナ禍が収まってくれば、必ず需要は戻ると思っていました。実際、その予想が当たり、昨今の需要増に難なく対応できました。また、円がまだ1ドル=105円ぐらいのときに着手したので、新設費用に、今の円安の影響もありませんでした。本当によいタイミングでしたね。

――攻めの姿勢が吉と出たわけですね。

小規模でも飛行機や発電所のバルブを製造、コロナ禍で工場新設の攻めも奏功会社全景
●株式会社昭和バルブ製作所 事業内容/バルブの製造・販売、従業員数/190人(海外子会社含む)、売上高/16億円(2022年6月決算)、所在地/滋賀県彦根市小泉町155-9、電話/0749-22-4545、URL/showavalve.co.jp

中川 さらに20年4月にも彦根市内に稲枝工場を新設したり、22年12月には本社工場に最新の工作機械を導入したりと設備投資をしています。日本国内では生産効率を高めることが必要なのです。

 ちなみに、稲枝工場の土地は、メインバンクの滋賀中央信用金庫さんにご紹介いただきました。滋賀中央信金さんには融資もしていただいていますし、いろいろとお世話になっています。

――今後の抱負をお聞かせください。

中川 バルブは社会インフラを支える基幹産業なので、やり方次第で確実に成長していけると考えています。20年にバルブにセンサーを搭載した自動制御技術に関する特許を取得し、22年に製品化に成功しました。バルブの世界でできることはまだまだたくさんあるので、これからも挑戦していきます。

(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2023年3月号掲載、協力/滋賀中央信用金庫