――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  米連邦政府が2月28日に開始した530億ドル(約7兆2000億円)規模の半導体産業補助金プログラム(「CHIPS法」)は、米国が「産業政策」を活用する歴史的な節目となる。産業政策とは、特定の産業を育成するために政府の資源を明示的に利用することを指す。  ワシントンでこうした動きがほとんど見られなかったのには理由がある。どの技術が成功するかを政府が市場よりもよく知っていることはほとんどない上、対象産業の繁栄と何の関係もない目標が育成の足かせになることが多いためだ。