映画館だから体験できる
感動を増幅させる仕組み

 昨年はわずかに減ったものの、映画館の総スクリーン数は1993年の1734帳から2021年の3648帳まで右肩上がりに増加している。

 日本全国でさらに身近な存在となりつつある映画館の中で、2021年に実施された「オリコン顧客満足度調査」の「映画館・全国総合ランキング」で1位を獲得したのがGDCSだ。特に、「上映作品の充実さ」「スクリーン・音響」「座席の心地よさ」の3項目が高く評価されている。

 2019年7月にオープンしたGDCSには最新の映画設備が整っており、家庭では得られない映画体験を楽しみにして訪れる人も多いようだ。

 特に、シネマサンシャイングループ独自の映画館フォーマット「BESTIA」は、観客がまるで映画の中に入ったような感覚を生み出すことから、“ファン”が付くほど人気だという。

シネマサンシャイングループが独自に開発した「BESTIA(シアター6)」シネマサンシャイングループが独自に開発した次世代の映画館フォーマットである「BESTIA(シアター6)」。鮮明な映像と立体感のある音響が一体化して、映画に入り込んだような感覚を生む

 また、BESTIAの最前列の座席には、あおむけに近い状態で鑑賞できる「フラットシート」が設置されている。

「GDCSで導入しているような臨場感や没入感を高める技術は、次々と進化しています。映画の世界に入り込むほど深く感動した作品に対し、上映後に自然と拍手が起こることもあります。映画館がコロナ禍を乗り越えられた背景には、お客様により深い感動を味わってもらいたいという映画興行関係者の思いが一致していたこともあるのかもしれません」と佐々木氏は語る。

 物語をより深く楽しみたいという人々の欲求がある限り、映画館のさらなる飛躍は止まらないのかもしれない。