2.“医師以外”から「プレ診断」を受けるもの

 本来、発達障害と診断できるのは、免許を持った医師だけです。

 しかし、最近は普段子どもを見てくれている保育士さんや幼稚園の先生、学校の先生から「発達障害では」と、「プレ診断」を受けるケースが多くあります。このケースも、発達障害もどきのひとつと定義します。

 特別支援教育の必要性が世の中に広まり、特に保育園や幼稚園、学校現場では発達障害に関する研修も充実し、多くの方が発達障害の知識を持つようになりました。その結果、このケースは増えているように感じます。

3.発達障害の診断をしたものの症候が薄くなるもの

 最後、3つめの発達障害もどきは、「発達障害の診断がついていたにもかかわらず、その後、症候が薄くなったケース」です。これは私の診た子どもたちの中で実際に起きているのですが、生育歴などを確認し診断をつけた子であっても、その後の生活・環境改善により、症候が目立たなくなることがあるのです。

早生まれの子は、診断がつきやすいという調査結果

 また、「発達障害じゃないのかな」と思われやすい子は、早生まれに圧倒的に多いとも感じています。私が診ている患者さんにも1~3月生まれのお子さんが多いです。

 ちなみに私も3月生まれで、小学校のときの私は今の基準に合わせれば、きっと「気になる子」、診断がつけられてもおかしくないような問題児でした。体が極端に小さく、他の子のリズムにまったくついていけず、失くし物、忘れ物の数も多かったのです。

 小学校に上がってすぐの頃は生まれ月による差がとても大きいですよね。4月生まれの子と、3月生まれの子では体格も落ち着きも全然違います。それも当たり前のことでしょう。4月生まれと3月生まれでは約1年も成長の度合いが違うのです。そのため、どうしても早生まれの子の問題行動が目立ってしまいます。