【具体的なお悩み】
シングルマザーとして息子を育てるため、がむしゃらに働いてきました。転職を経て給与も上がりました。ですが、息子が独立して以降、更年期のせいもあるのか、気力が湧かなくなってしまいました。
現在のペースで働けるのは、長くても56歳になるまでの4年弱かなと思います。できれば1日でも早く会社を辞めて、これまでできなかった旅行や園芸などの趣味を楽しみながら暮らしたいと思っています。
その上で懸念しているのは生活費です。現時点では毎月40万円以上の出費があります。コロナ禍以降は特に節約しているつもりですが、どこをどう削っていいのかが分かりません。
現金として保有している金融資産も少なく、もし本当に56歳で仕事を引退すると、趣味を楽しむどころか、老後の生活がままならなくなる危険性もありそうです(息子には迷惑をかけたくはありません)。
このような状況なのですが、次の3点についてアドバイスいただきたいです。
(1)私はいつまで働くべきなのでしょうか。
(2)退職時にどの程度の貯金があれば、老後も安心なのでしょうか。
(3)月間支出のうち、どの項目を節約すればよいでしょうか。
56歳という引退時期はあくまで目安として挙げたので、別の年齢が望ましいようでしたらおっしゃってください。よろしくお願いします。
各項目にいくら使っているか
相談を機にしっかり把握を
それでは、Sさんからの相談内容を、家計収支を試算しながら回答していきましょう。
相談文を読むと、Sさんは1日でも早く会社を辞めたいようなので、まずは目安の56歳ではなく、今すぐに退職した場合の家計収支を試算してみます。ただし、投資の成果は先読みできないため、FXや投資信託の収支は試算に含めないことをご了承ください。
まずは支出面から見ていきたいのですが、気になることがあります。
Sさんが記載した毎月の支出項目を合計すると約43万円になる一方、「合計46万円前後」という記載もあり、金額が一致しません。「その他の出費/雑費」が月ごとに変動するため、誤差が生じていると思われます。
相談文に「月間支出のうち、どの項目を節約すればよいでしょうか」とありますが、節約のためには、何にいくら使っているのかを把握することが大切です。1円単位まで知る必要はありませんが、各項目にいくら使っているか、この相談を機にしっかり把握するようにしてください。