思い出収納の「純度」を上げる(1)
「思い出」と「過去のガラクタ」を分ける

 古くなった思い出の品々は、整理収納の現場でよく「雑多なモノ」として依頼者さんから紹介されます。それを聞くと私は、とても切ない気持ちに…。

 依頼者さんがそう言う原因は、思い出収納の「純度の低さ」です。「過去のガラクタ」と「大切な思い出の品」が、ぐちゃぐちゃに混在しているのです。まず、ここをしっかり分けましょう。過去のガラクタに分類されがちなアイテムを具体的に挙げてみます。

1)文房具をはじめとする生活用品
 たくさんのペンや使いかけの付箋、未使用のメモパッド、バラバラになったクリップなどが、「思い出ボックス」とでもいうべき大きめの箱に同梱されているパターンは多いです。これらのモノを「まだ使えるから再利用しよう」と思っても、実際に再利用する人は少ないでしょう。そもそも、思い出ボックスからこうした細かいモノを取り出して分ける作業自体、エネルギーを消耗します。思い切って丸ごと処分するのが一番です。

2)古い情報が載った紙類
 年賀状や名刺、ショップカード、年季の入った契約書・請求書、年金関連の通知といった紙類が、個人の思い出ボックスからよく出てきます。ボックスに入れた当時は、何となく捨てちゃいけない気がしたモノも、現在見れば価値がないのがわかるはずです。本当に大切な思い出だと感じるモノ以外はサヨナラしましょう。

3)今見ると価値が下がったモノ
 会社の歓送迎会で赤ら顔を撮られた写真、過去に集めまくった推しグッズ――久々に見て、「残すほどでもないな…」と感じるモノは処分するか、ある程度量を絞りましょう。思い出は、「後から楽しく見返せる量と内容」をキープするのが鉄則です。