一度覚えたら忘れない英語勉強法#8Photo:PIXTA

東京都立高校の英語入試に2023年度から導入されたスピーキングテスト。運用面での不備が指摘され、住民監査請求にまで発展するなど物議を醸してきたが、さらに教育関係者の間では「受けない方が有利になるケースが生じ得る」と問題視されている。特集『一度覚えたら忘れない英語勉強法』(全16回)の#8では、スピーキングテストを受けない方が有利になりうるという採点方法の“欠陥”を明かす。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

「週刊ダイヤモンド」2023年2月11日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

スピーキングテストに“欠陥”
受験しない方が有利に?

 東京都が、都立高校の2023年度英語入試から導入したスピーキングテスト。

 肝心の試験の中身より、「採点の公平性」「特定の民間企業1社に運営委託するに至るまでの透明性」など、運用面でさまざまな問題が指摘され、大学教授や保護者らが住民監査請求を行うなど、大きな物議を醸してきた。

 そんなお騒がせのスピーキングテストだが、“やむを得ない事情”が認められれば、受験を回避できる。その上、むしろ「受けない方が有利になるケースが生じ得る」ことを、東京都内の学習塾で英語を教える川島健吾氏は危惧する。

 鳴り物入りで始まったスピーキングテスト受験がかえって不利に働くとはどういうことか。その理由は、複雑な採点方法ゆえに生じる“欠陥”にあった。