一度覚えたら忘れない英語勉強法#10Photo:PIXTA

「Eメールのやりとりだったら中学英語で切り抜けられる」と言う者が少なくない。もっとも、丸腰ではない。“ずる”をできる文明の利器を使っているのである。ダイヤモンド編集部独自の「800人アンケート」で圧倒的な支持を集めたツールとは?特集『一度覚えたら忘れない英語勉強法』(全16回)の#10では、ずるいメール&会議術をお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

「週刊ダイヤモンド」2023年2月11日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

職場で最低限必要な英語力とは?
「中学英語程度」の回答多数

 英語での対応が必要な業務は、一昔前までなら、英語ができる社員たちに委ねられた。外国人相手の仕事は海外出張する者、海外赴任する者に任されてきた。

 しかし、ビジネスのグローバル化が進むにつれて、海外の顧客が増えた。社内でも海外拠点との会議や外国人社員の採用が多くなった。英語を使うシーンが社内各所に広がり、ビジネスパーソン全般に「英語ができないから」と突っぱねられないプレッシャーがのしかかるようになった。

 英語を使う頻度が最近増えているのは、Eメールやウェブ会議だ(下表参照)。

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、海外出張が控えられた一方で、海を挟んでのウェブ会議が増えた。出張のように参加人数を絞り込むことがなくなり、より多くの人が英語での会議に参加するようになったのである。

 約10年前に楽天グループが英語を社内公用語とし、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングなどもこれに続いた。そして今、シャープなどが英語公用語化へとかじを切った。他にもIT企業がエンジニア部門などでの導入に動きだした。

 大っぴらにしないものの海外の取引が多い部署や外国人採用を増やしているIT部門などで「静かな英語共通語化を進める企業が増加している」と、法人向けに英語研修を行うプロゴスの安藤益代会長は言う。

 そんな中で、中学英語で止まっているビジネスパーソンは白旗を揚げるしかないのか──。

 否。実態として、彼らはしっかりと息をしている。

 ダイヤモンド編集部が実施した「800人アンケート」では、職場で最低限必要な英語力を「中学英語程度」とする回答が数多くあった。そう答えたのは英語に縁がない部署に所属する者だけではない。英語を使う機会がある部署にいる者からも、同様の回答が返ってきた。

 ただし、中学英語である。丸腰というわけではなかった。

「Eメールのやりとりだったら翻訳ツールを使って、中学英語で切り抜けられる」というのが正確な回答。文明の利器を活用しているのだ。