人気の新興住宅地「新都市」には
たくさん子どもがいるが……

 韓国では、若い子育て世代をターゲットにした「新都市」と呼ばれる再開発地区がソウルや釜山とその周辺で人気を集めている。日本でいう「住みたい街ランキング」で上位にランクインするような地区であり、こうした地区では子どもの数も多く、学校が新設されるなど一見すると少子化とは無縁のような雰囲気がある。

 筆者が日本で生まれ育った地域はやはり、80~90年代にマンションの建設ラッシュがあり、当時は小中学校も全校生徒数が1000人を超え、1学年のクラス数も多かった。しかし現在では既に廃校となった小中学校もあり、既存の学校でもクラス数が2クラス程度と聞く。建設ラッシュ当時に移り住んだ当時30~40代だった住民たちは、現在は70~80代になっている。日本に帰国する度に、日中の街中にいるのはほぼ高齢者であること、多くの店舗が閉店していることに淋しさを感じる。

 そう考えると、韓国の「新都市」のにぎわいや活気も一時的なもので、現在学齢期の子どもたちが成長した10年後くらいからは衰退していくのだろう。そんな未来予想図が見えるのである。