名古屋駅前の“とっきんとっきん”が
「見通し改善」を理由に撤去

 幕を下ろすのは一時代を築いた人気商業施設だけではない。名古屋駅桜通口のロータリー交差点にあったモニュメント「飛翔」は、22年6月から数カ月がかりで撤去された。

 銀色に輝くステンレス製のモニュメントは、とがった先端が高く突き出ている。「とっきんとっきん(名古屋弁で「先がとがったもの」の意味。例:鉛筆など)」、「ぐるぐる」「メタルスライムの頭」などの愛称で地元民に親しまれてきた。

名古屋駅桜通口のロータリーにあったモニュメント「飛翔」名古屋駅桜通口のロータリーにあったモニュメント「飛翔」 Photo by W.M.

 このモニュメントは、駅前ロータリー交差点の中央部にあり、高さは約23m。クルマで通過するドライバーらは「交差点の視界が遮られる」、駅を出た利用客らは「街の景色を見通せない」と弊害を訴えていたこともあって、市はビスタ(見通し景観)の改善策として撤去を決断した。

 続く23年2月、名古屋駅太閤通口の「ゆりの噴水」(高さ7m)も同様の理由で解体されている。