許容範囲のラインは年々変化
「見ているタイムラインが違う」問題

 中には、ツイッター上でのひとつのツイートで契約解除にまで至るのはやりすぎではないかと考える人もいるかもしれない。

 しかし、これまで声を上げづらかった問題が近年になって可視化され始め、実態把握や対策が必要だと訴える若者や学生がいる中で、あまりにうかつなツイートであったことは間違いない。

 この件に限った話ではないが、普段から誰もがハラスメントの被害者にも加害者にもなり得ることを考え、こういったニュースに関心を払っている人と、そうではない人とでは、見ているタイムライン(時間軸)がまったく異なるのだろうと感じる。

「これぐらいなら許される」のラインは年々変化しており、その変化に対応するためには、自分が居心地が良いと感じているコミュニティー以外の様子にも気を配る必要がある。SNSを利用するなら、なおさらである。

 今の時期はおそらく過渡期であり、今後は大学内でのハラスメントについて少しずつでも実態調査や対策が進んでいくはずだ。その中で今回のような事故はこれからも起こるかもしれないが、その一つずつを検証し、再発防止策を積み重ねることが必要だ。