コンサルティング会社の大規模リストラが広がっている。米アクセンチュアが1.9万人の人員削減を発表したほか、米マッキンゼー・アンド・カンパニーやKPMGもリストラを進めるもようだ。欧米ではコンサルバブル終焉論が台頭するが、同じくバブルに沸いてきた日本への影響はあるのか。長期連載『コンサル大解剖』では、ビッグ4とマッキンゼーの日本法人5社に人員削減の可能性をヒアリングした。各社の回答を紹介するとともに、今後のコンサル人材市場の動向も占う。(ダイヤモンド編集部 名古屋和希、山本 輝)
マッキンゼー、KPMGで大規模人員削減
「日本法人は人員削減する?」緊急調査
コンサルティング業界でリストラの嵐が吹き荒れている。
2月、米マッキンゼー・アンド・カンパニーが2000人規模の人員削減を計画していることが報じられた。同社として過去最大規模のリストラとなる。
ビッグ4の一角、KPMGも米国の約700人を削減する。米国の従業員全体の約2%に当たる規模だ。米国で人員削減に着手するのはビッグ4では初となる。
そして、業界に衝撃を与えたのが、米アクセンチュアの大量の人員削減だ。同社は3月23日、向こう1年半で全従業員の2.5%に当たる1.9万人を削減すると発表した。コンサル業界では、過去最大規模のリストラとみられる。
ただし、アクセンチュアの業績は絶好調だ。同社の2022年12月~23年2月の売上高は、前年同期比9%増(現地通貨ベース)の158億ドルで、四半期ベースでは過去最高を記録した。
リストラの対象は主にコーポレート部門のスタッフとされる。AI(人工知能)などのテクノロジーの活用によるコスト削減に主眼が置かれている。
「コンサルブームの終焉」。大手コンサルファームの相次ぐリストラに、欧米ではそうした見方も台頭している。急成長してきたIT企業や脱炭素ビジネスがコンサルブームをけん引してきたが、景気の先行き見通しの悪化で、勢いに陰りが出ているというのだ。
では、大規模リストラは同じくバブルを享受してきた日本のコンサル業界にも波及するのか。過去には、「2008年のリーマンショックの後に、ある外資系戦略ファームは日本オフィスの人員数を半分ほどに削減した」(コンサル業界関係者)こともあり、影響が気になるところだ。
アクセンチュアに関しては、『米アクセンチュア1.9万人削減へ、日本法人へのリストラ波及は?独自入手の内部メールに示唆』の中で、ダイヤモンド編集部が独自入手した内部メールなどを基に、大量リストラが日本法人に及ぶ可能性について展望している。
今回、ダイヤモンド編集部はビッグ4やマッキンゼーの外資系コンサルの日本法人5社に、人員削減の可能性をヒアリングした。次ページでは、各ファームが寄せた今後の人員体制や採用に関する回答を紹介する。その上で、日本でのコンサル需要なども踏まえた、コンサル人材市場の展望も明らかにする。