コンサルでリファラル採用が爆増中、「紹介報酬100万円」の国内ファームの実名とはPhoto:imagenavi/gettyimages

コンサル業界で現職社員が知人などを紹介する「リファラル採用」が急増している。もともとコンサル業界ではリファラル採用が根付いてきたが、採用意欲が全体的に過熱する中で急拡大。さらに、コンサルの採用現場が抱える特有の課題もリファラル採用の広がりを後押しする。連載『コンサル大解剖』では、コンサル業界におけるリファラル採用の実態を解明する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

コンサル「リファラル」が急拡大
30倍増のデータも

 いま、コンサル業界で「リファラル採用」が急増しているのをご存じだろうか。

 ここに、驚くべき数字がある。リファラル採用のプラットフォームを運営するTalentXによると、同社のサービスを利用するコンサル企業群におけるリファラルでの応募者数は、2020年の162人から22年には951人と飛躍的に増加した。さらに、そのうちの採用決定者数では、同じく5人から153人に増加しており、実に30倍という爆発的な伸びを示しているのだ。

 そもそも、リファラル採用とは、現職の社員が友人や知人を紹介する採用制度のことだ。応募者の質がある程度担保されたり、応募者も社員の話を通じて働き方の理解が事前に進んだりすることで、マッチング精度の向上が図られるとして、さまざまな業種・業界で導入が進んでいる。

 もともと、コンサルはそのスキルの特殊性から、かねてリファラル採用が浸透してきた業界ではある。それでも、足元のコンサル業界の人材バブルを背景に、リファラル採用が一段の拡大を見せているのだ。

 なぜ、コンサルのリファラル採用が増えているのか。その背景には、コンサルの採用現場が抱える特有の課題が存在する。さらに驚くべきことに、リファラル採用が過熱する中で、100万円という破格のインセンティブを紹介した社員に与えるという“大盤振る舞い”のファームも登場している。

 次ページでは、その社名の実名とともに、コンサル業界でリファラルが急速に拡大している理由について解説しよう。