Excelを使いこなせば
新卒社員も“即戦力”に!?

 最後に、学生のみなさんにもなじみが深いと思われる、実務向けアプリケーションのスキルを証明する資格を紹介しましょう。まず挙げておきたいのが、あらゆる企業で使われている「マイクロソフト オフィス」のスキルを認定する「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」です。

 特にExcelのスキルは、入社後すぐに“即戦力”となるためにもしっかりと習得しておいてください。というのも、関数を用いた表計算機能やグラフ作成機能は、計算ミスの削減やアウトプットの分かりやすさといった業務改善にとても役立つにもかかわらず、意外にこれらの機能を自在に使いこなせるビジネスパーソンは少ないのです。

 もう一つ挙げるとすれば、ExcelやAccessのマクロの読解・記述能力を評価する「VBAエキスパート」です。興味のある人は挑戦してみてください。例えば、Excelで行うルーティン作業を、「〇〇の条件を満たす場合は、△△の処理をする」といったプログラムを書いて自動的に処理することで、業務効率のさらなる向上が期待できます。

 また、今日のビジネスは、ウェブを通じた取引やプロモーションの比重が大幅に高くなっています。ウェブサイトを運営するに当たっては、ページビュー数やユニークユーザー数をはじめ、訪問者の行動履歴などを把握することがもはや常識です。
 
「Google アナリティクス」は、多くの企業が解析ツールとして利用していますので、その使い方やアウトプットデータの意味を理解するために、「Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)」の受験をお勧めします。

 Googleが提供する「スキルショップ」にGoogleアカウントを登録し、オンラインでのトレーニングを受けた後に知識の確認テストを行う形式で、随時受験が可能です。

 Googleアナリティクスは2023年7月以降、現行の「ユニバーサルアナリティクス(UA)」から最新バージョンの「Google アナリティクス4(GA4)」への移行が必須となることが公表されており、今後は新しい機能や仕様の理解が必要になってきますので、すでに現行の同資格を取得している人も、改めて挑戦してみるとよいと思います。

 繰り返しになりますが、ビジネスで価値を創造するのは「人」です。ITはそのプロセスを加速するのに有効なツールです。資格の勉強を通じて、実務で使えるITの知識とスキルをぜひ、今のうちから蓄えておいてください。

(資格・勉強コンサルタント 鈴木秀明)